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タクシーの求人を見ていると出てくる「A型賃金」「B型賃金」「AB型賃金」という言葉。
正直、初めて見た時は「何それ?」ですよね。でもこれ、知らないまま入社すると月5万円レベルで損する可能性がある、超重要な仕組みです。
東京都心で6年タクシー乗務員をやっている、おかゆです。私は1社目でこの仕組みをよく理解しないまま入社して、実際に月5万円以上損していました。年間で60万円以上の差です。

本記事では、タクシーの3つの賃金体系を、失敗経験者の視点から分かりやすく解説します。
大前提:タクシーの給料は「歩合制」がベース
まず基本から。タクシーの給料は、ほぼすべての会社で歩合制(給料 = 売上 × 歩合率)がベースです。
例えば月の売上が67万円で歩合率が60%なら、給料は約40万円。

基本的には売上を上げれば上げるほど給料が増える、シンプルな仕組みです。
ただし、この「歩合制」の中身が会社によって3パターンに分かれます。それがA型・B型・AB型です。
A型賃金:固定給+歩合給+賞与の安定型
A型賃金は、固定給をベースに歩合給と賞与が乗るタイプです。
給料 = 固定給 + 歩合給 + 賞与(年2回など)
普通の会社員の給与体系に一番近い形。売上が悪い月でも固定給があるので、収入の下振れリスクが小さいのが特徴です。
- A型のメリット
- ・収入が安定する(売上が悪くても固定給がある)
・賞与(ボーナス)がある - A型のデメリット
- ・歩合率が低めに設定されている
・売上を上げても給料への反映が小さい

安定を取る代わりに、稼げる人にとっては物足りない体系。ただ、現在の東京ではA型を採用している会社はかなり少数派です。
B型賃金:完全歩合のシンプル型
B型賃金は、完全歩合制。売上×歩合率がそのまま給料になります。
給料 = 売上 × 歩合率(これだけ)
賞与はなく、毎月の給料に全部反映されるスタイル。仕組みが一番シンプルで分かりやすいのが特徴です。
- B型のメリット
- ・稼いだ分がダイレクトに給料になる
・計算がシンプルで分かりやすい
・稼げる人には一番リターンが大きい - B型のデメリット
- ・売上が悪い月は給料も下がる
- ・賞与・退職金は基本なし

「自分の腕で稼ぐ」という歩合制の本質に一番忠実な体系。実力主義でシンプルなのが好きな人向けです。
AB型賃金:歩合の一部を賞与として積み立てる型(業界の主流)
そして現在の東京で一番多いのがAB型賃金です。
仕組みはB型(完全歩合)がベースですが、歩合給の一部を会社が積み立てて、数ヶ月に一回「賞与」として支給する形になっています。
毎月の給料 = 売上 × 歩合率 − 積立分
賞与 = 積み立てた分をまとめて支給
「ボーナスがある」と聞くと嬉しく感じますが、原資は自分の売上。会社が上乗せしてくれるわけではなく、自分の歩合給の一部を後払いにしているだけです。
- AB型のメリット
- ・賞与があるので大きな買い物・ローン審査で有利
・強制的に貯金される感覚で計画的に使える - AB型のデメリット
- ・毎月の手取りは見かけの歩合率より少なくなる
- ・賞与支給前に退職すると積立分が減額・不支給になる会社もある

「賞与あり」の正体は自分の売上の後払い。ここを知らない人、本当に多いです。
要注意:「足切り」という別の罠
賃金体系とセットで知っておくべきなのが「足切り」という仕組みです。
足切りとは、一定の売上ラインを超えないと歩合率が適用されない(または下がる)仕組みのこと。
例えばこんな会社があります。
- 売上50万円まで:歩合率50%
- 売上50万円を超えた分:歩合率62%
この会社、求人サイトには「歩合率62%!」と書けてしまうんです。でも実際に62%が適用されるのは50万円を超えた部分だけ。
売上67万円の場合、単純な62%換算より月5万円以上手取りが少なくなる計算になります。
これが、私が1社目でハマった罠です。求人サイトの「歩合率62%」を信じて入社したら、給料明細を見て「あれ、計算が合わない」。問い合わせて初めて足切りの存在を知りました。

求人サイトの歩合率は「最大瞬間風速」だと思ってください。実際の手取りとは別物です。
結局どの賃金体系を選ぶべきか
6年やってきた私なりの結論です。
- 安定重視の人
- A型(ただし採用している会社は少ない)
- シンプルに稼ぎたい人
- B型
- 賞与が欲しい人・計画的に使いたい人
- AB型
ただ、正直に言うと賃金体系の型そのものより大事なことがあります。それは、
・足切りの有無とライン
・実際の歩合率(求人表記ではなく)
・賞与積立の条件(退職時にどうなるか)
この3つを入社前に確認すること。型がA・B・ABのどれであっても、この3つが不透明な会社は避けるべきです。
面接での確実な歩合率確認方法
賃金体系・足切り・積立の全部をまとめて確認できる、魔法の質問があります。
「税抜100万円の売上をあげたら、総支給はいくらになりますか?」
この質問に即答できる会社は乗務員に向き合ってる証拠。「独自の計算式が…」「平均だと…」と濁す会社は、何かしら複雑な仕組み(足切り・控除など)を隠している可能性が高いです。
面接で聞くべき質問の完全版は、こちらの記事にまとめています。
まとめ:型の名前は目安。「実際の手取り」を確認する
- A型
- 固定給+歩合+賞与の安定型(採用会社は少数派)
- B型
- 完全歩合のシンプル型
- AB型
- 歩合の一部を賞与として積み立てる型(業界の主流)
・AB型の賞与の原資は自分の売上の後払い
・足切りがあると、求人表記の歩合率通りにはならない
・面接で「税抜100万円ならいくら?」と聞けば全部わかる
賃金体系は、タクシー転職で一番地味で一番大事な知識です。私のように入社してから「計算が合わない」と気づくのでは遅い。
この記事の内容を面接前に押さえておくだけで、月5万円の差を回避できます。

同じ売上、同じ労働で月5万円変わる。これがタクシーの会社選びの怖さです。