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「月収35万〜100万円」と書かれた求人を見ても、自分がいくら稼げるのかは分かりません。入社直後の保証給が終わった後も、毎月どれくらい手取りが残るのか。今の仕事を辞める前に、そこを知りたいですよね。
求人の数字だけで会社を選ぶと、入社後の給与が期待を下回ることもあります。東京で乗務7年目の私も、1社目では求人の歩合率から計算した額より、実際の月給が5万円以上少なかったんです。
東京のタクシー運転手の月収は、40万円前後が現実的な目安です。私の給与明細ベースの実績と公的統計をもとに、月収40万円に必要な売上と手取り、私と月収60万円を狙う人の働き方の違いを解説します。

読み終わる頃には、希望月収に必要な1日の売上と、求人を比べる基準が分かります。
7年目の私の月収は平均40万円(直近12か月)
私の直近12か月の月収は平均40万円前後です。
| 項目 | 月平均 |
|---|---|
| 出番数 | 22日 |
| 税抜売上 | 約67万円 |
| 総支給額 | 約40万円 |
| 手取り額 | 約31〜32万円 |
※夜日勤(実働約8時間)の数字です。金額は給与明細ベースの概算で、月によって上下します。
40万円は東京の平均(月換算47万円)よりやや下
ただし、この40万円は「楽して稼ぎたい派」の私の数字。本気で売上を追えば、月収50万・60万円を狙える余地もあります。
公式資料では、東京都のタクシー運転手の年間賃金推計額は約570万円(令和7年)。単純に12で割ると月平均約47万5,000円ですが、この数字には年間賞与を月割りした分も含まれます(詳しくは後述)。
私の月収は東京の平均よりやや低いです。出番を増やさず、ツケ待ち中心で楽に稼ぐ働き方を選んでいるので、妥当な数字だと納得しています。
求人サイトで目立つのは、上位層の月収例です。一方、業界平均の集計対象には、ガッツリ稼ぐ層だけでなく、年金をもらいながら出番を抑えて働くシニア層も含まれます。

私の周囲では、月収40万円前後のドライバーが一番多いです。
月収40万円に必要な売上は税抜67万円|逆算ツール

歩合率60%で総支給40万円を得るには、月の税抜売上が約67万円必要です。月22出番なら、1出番あたり約3万円が目安になります。
日報やメーターの売上を税込で見ている会社の場合、税抜67万円は税込でおよそ73万7,000円。1出番あたりの目安は次のとおりです。
- 税抜日営収:約3万450円
- 税込日営収:約3万3,500円
※歩合率や税込・税抜の扱いは会社によって異なるので、あくまで参考値として見てください。
下のツールに希望月収・歩合率・月の出番数を入力すると、1出番に必要な売上が分かります。
月収÷歩合率で必要な売上を出し、出番数で割った単純計算です。足切りや基準額がある会社では月に必要な売上は、これより数万円多くなります。手取りは扶養や住民税で変わります。
勤務形態で変わる出番数と1出番の売上
私の勤務形態は夜日勤(実働約8時間)で、月の出番数は平均22日です。以前は隔日勤務(実働約16時間)でしたが、もっと楽に稼ぎたくて夜日勤に変えました。勤務形態が違うと、出番数と1出番の売上の両方が変わります。
| 勤務形態 | 夜日勤(私の実績) | 隔日勤務(試算) |
|---|---|---|
| 月の出番 | 22回 | 12回 |
| 1出番の売上 | 約3万円 | 約6万円 |
| 月の税抜売上 | 約67万円 | 約72万円 |
| 総支給(歩合60%) | 約40万円 | 約43万円 |
※隔日勤務の数値は、1出番の売上を夜日勤の約2倍、出番数を12回とした試算です。隔日勤務は1出番が長い分だけ売上は増えますが、月の出番数が11〜13回に減るので、月収まで2倍にはなりません。

隔日勤務は1回が長くて、後半は集中力が持たない。私には夜日勤が合っていました。
日勤・夜日勤・隔日勤務の1日の流れと向き不向きは、タクシーの勤務形態の記事で解説しています。
月収40万円の手取りは31〜32万円
求人サイトも公式統計も、載っているのは税金や社会保険料が引かれる前の「総支給額」。でも生活設計に必要なのは、手取りですよね。

給与から引かれる5項目
引かれるのは健康保険・厚生年金・雇用保険・所得税・住民税の5つ。手取りは、総支給額からこれらを差し引いた金額です。
扶養家族の有無や住民税額で多少前後しますが、「額面×0.8弱」で見積もっておけば大きくは外れません。
なおボーナスが出るかどうかは、会社の賃金体系(A型・B型・AB型)次第です。型ごとの違いはA型・B型・AB型賃金の記事にまとめています。
1年目は保証給があり未経験でも安定する
「歩合制って、慣れるまでの収入が不安」という方も安心してください。
多くの会社では給与保証制度があり、入社から数ヶ月〜1年間は月30〜40万円程度が保証されます。
※ただし、保証給には条件があります。「規定の出番数を満たす」「無断欠勤・遅刻がない」などを求める会社がほとんどです。求人票だけでなく、雇用条件書まで必ず確認してください。
私の場合、1社目は1年間・総支給40万円の保証つきでした。未経験の1年目から最低限の収入が保証された状態で働き始められる。これはタクシー業界の隠れた強みだと考えています。
未経験で入社する方は、面接で保証給が終わった後の月収例を聞いておきましょう。聞き方は「希望する勤務形態で、保証が終わった後の月収例を、出番数も含めて教えてください」。これで、自分の働き方での収入を考えやすくなります。

手取り8割弱なのは他の仕事と同じ。違うのは、頑張った分だけ額面そのものを増やせるところです。
関連記事:【現役解説】タクシー転職は40代・50代でも遅くない?平均年齢58歳の業界では若手!
1出番のリアル|普段2万〜4万円、まれに7万円

「1出番3万円が目標」と書きましたが、実際は毎日きっちり3万円稼げるわけではありません。
私の1出番の売上は、通常2万〜4万円で、平均3万円前後です。ただし、まれに1万円台で終わる日や、7万円まで跳ねる日もあります。
あたりの日:3営業で7万円
3回お客さんを乗せただけで売上7万円を叩き出した日があります。1回平均2万円超えのロング(長距離の乗車)が続きました。

自分でも「今日はおかしい」と笑ってしまいます。
ハズレの日:羽田で大田区、銀座で港区
象徴的だったのが、羽田のお客様は全員大田区行きで、銀座のお客様は中央区・港区行きばかりだった日。丸一日働いて売上15,000円でした。

凹む日もありますが、1日単位で一喜一憂しないようにしています。
雨の日は需要が跳ね上がる

雨の日は需要が跳ね上がります。傘を持たない人や濡れたくない人が一気にタクシーを使うので、空港でも銀座でも回転が早くなる。
イベントや連休も多少は影響しますが、雨の日の影響が一番大きいというのが、乗務7年目の私の実感です。
雨予報の日は「今日は稼ぐ」と決めて出庫。私の場合、雨の日は1出番の売上が普段より5,000円ほど増えることが多いです。
私の働き方で、売上は普段4万円あたりが上限
私の夜日勤は実働約8時間で、1出番に乗せられる回数には限界があります。だから、よほどのロング続きでない限り、普段は4万円あたりで頭打ちになりやすいんです。
逆に2万円を下回ると「今日はダメだったな」という感覚になります。

日々の売上はお客さんの行き先に左右されますが、経験を積めば1出番の平均売上は上げられます。
私はツケ待ち専門|楽だが売上の波は大きい

タクシードライバーの営業スタイルは大きく2タイプに分かれます。
- 流し
- 街中を走り回ってお客さんを探す
- ツケ待ち
- 駅や空港でお客さんを待つ
私は丸一日ほぼツケ待ちです。単価の高い場所には自然と列ができ、並んでいる時間はスマホや副業の作業に使えます。
この自由時間がツケ待ち派の最大のメリットで、一日中流しで走り続けるより精神的にも体力的にも消耗しません。
欠点は、日によって売上の波が大きいこと。ロング客が引ければ一発で数万円ですが、引けない日は売上が伸びません。
ただ、ツケ待ちで厳しい日は街全体の需要が弱く、流しでも苦戦しているドライバーが多いです。

稼ぎたいなら流しが向いています。私は「欲しい給料を稼げればいい」と割り切って並ぶ派です。
羽田と銀座でどう並ぶか、1日の流れと待ち時間の使い方は、つけ待ちの記事で解説しています。
月収40万円と60万円の差|稼げる人の3つの違い
同じ東京のタクシー運転手でも、月収40万円の人と60万円の人がいます。夜日勤同士で比べた場合、私と月収60万円を狙う人の違いは次の3つです。
| 月収を左右する条件 | 私(月収40万円) | 月収60万円を狙う人 |
|---|---|---|
| 月の出番数 | 22回 | 24〜26回 |
| 1出番の売上 | 約3万円(ツケ待ち) | 約4万円(流し中心、雨の日は必ず出る) |
| 歩合率と足切り | 60%・足切りなし | 62%・足切りなし(会社選びで決まる) |
例えば出番25回×1出番4万円=売上100万円、歩合率62%なら総支給62万円です。
3つのうち2つは自分の働き方で変えられますが、歩合率と足切りだけは入社後に変えられません。
※「60万円を狙う人」の列は、私の周囲で実際に稼いでいる人の働き方をもとにした目安です。年齢や経験年数より、この3つのほうが月収に効きます。

私は出番も売上も上げる気がないので40万円。出番数か1出番の売上を増やせば、月収を伸ばせます。
求人の「月収100万円」を信じてはいけない理由

求人サイトに載っている「月収100万円!」みたいな数字は、業界トップ層が出している特殊な数字。
出番数を増やす、高い実車率を保つ、繁忙期に働く、ロング客をつかむ。こうした条件がいくつも重なって、はじめて届く上位層の数字です。
「月収例:35万円〜100万円」と幅広く書いてある求人もあります。私の周囲を見る限り、下限に近い35万〜45万円のほうが、現実的にイメージしやすい水準です。
2026年3月には「東京のタクシー運転手の約61%が月収100万円超えを経験している」という民間調査が話題になりました。
※このインターネット調査の回答者は177人で、東京都の回答者は41人です。東京のドライバー全体の実態を示す公的統計ではないため、参考程度に見てください。
繁忙期に一度だけ跳ねた月があるのと、平均月収100万円は違います。
実際、同じ調査では、全国の回答者の約7割が月収40万円以下。求人の「月収100万円!」は、瞬間最大風速を切り取った数字だと思ってください。
公式データで見る東京タクシー運転手の年収
業界の公式データも、求人サイトの「月収100万円」とは大きく乖離しています。
| 年間賃金推計額 | 令和7年 |
|---|---|
| 全国 | 450万8,200円 |
| 東京都 | 570万3,500円 |
※年間賃金推計額は「月間給与×12+年間賞与」で計算された数字です。東京都の約570万円を単純に12で割ると月平均約47万5,000円ですが、これには賞与を月割りした分も含まれます。毎月の給与明細の額面とは条件が異なる点にご注意ください。
また、全国の年間賃金推計額は、コロナ禍の令和3年に約280万円まで落ち込みましたが、令和7年には約451万円まで回復。4年間で約61%増えた計算です。
出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」 / 全国ハイヤー・タクシー連合会「令和7年賃金構造基本統計調査によるタクシー運転者の現況」
東京の平均でも月換算約47万円。「月収100万円」は平均の2倍以上です。全国の平均が4年で6割増えた背景には、インバウンド需要の回復と運賃改定があります。
さらに2026年4月20日には東京23区・武蔵野・三鷹で運賃改定(改定率10.14%)が実施されました。初乗り500円は据え置きですが、適用距離が短くなる実質的な値上げで、売上には追い風です。

求人の最高値ではなく、公式データを基準に期待値を置けば、入社後のギャップで凹みません。
月収を最大化したいなら「会社選び」が一番大事

同じ売上を上げても、会社によって手取りが大きく変わります。求人サイトに「歩合率62%」と書いてあっても、売上全体に62%を掛けた金額が支給されるとは限りません。足切りや賞与積立の仕組みがあるからです。
私は1社目でこれにハマって、月5万円以上損していました。年間60万円以上の差です。給料を月5万円増やすには毎日の営業努力が要りますが、会社選びは最初に一度だけ頑張ればいい。
会社を選ぶときに見る条件と、面接で聞く質問は東京のタクシー会社の選び方にまとめています。
よくある質問

東京のタクシー運転手の平均月収はいくらですか?
公的統計(令和7年賃金構造基本統計調査)では、東京都のタクシー運転者の年間賃金推計額は約570万円です。月換算すると約47万5,000円で、賞与の月割り分を含みます。現役7年目の私の実績は、夜日勤・月22出番で平均40万円です。
未経験1年目のタクシー運転手の月収はいくらですか?
多くの会社に給与保証があり、入社から数か月〜1年間は月30〜40万円程度が保証されます。私の1社目は1年間・総支給40万円の保証でした。規定の出番数を満たすなどの条件があるので、雇用条件書で確認してください。
月収40万円の手取りはいくらですか?
健康保険・厚生年金・雇用保険・所得税・住民税を引いて、手取りは31〜32万円前後です。扶養や住民税の額で前後しますが、「額面×0.8弱」で見積もると大きく外れません。
タクシー運転手で月収100万円は本当に可能ですか?
可能ですが、業界トップ層が繁忙期などに出す数字です。ある民間調査では、東京都の回答者の約61%が「100万円超えを経験した」と答えていますが、「経験がある」と「毎月稼げる」は別物。同じ調査でも全国の回答者の約7割は月収40万円以下でした。
月収を上げるには何を変えればいいですか?
変えられるのは出番数、1出番の売上(営業スタイルと雨の日の出勤)、勤務形態の3つです。歩合率と足切りは入社後に変えられないので、会社選びの段階で確認してください。
売上が低いとクビになりますか?
売上が低いだけで解雇になることは、まずありません。問題になるのは、事故やクレームが重なったとき。その場合はまず個人面談があり、会社側と本人が改善策を話し合います。それでも事故やクレームが減らなければ、話し合いの末に退職を勧められることもあります。
対応は会社によって違うので、面接で「成績が振るわない人へのフォロー」を聞いておくと安心です。
まとめ|月40万円は狙える。会社選びは慎重に

・東京のタクシー運転手の月収は40万円前後が目安。手取りは31〜32万円
・求人サイトの「月収100万円」は業界トップ層の瞬間最大風速
・月収40万円と60万円の差は出番数・1出番の売上・歩合率と足切りの3つ。
「楽して稼ぎたい」も「ガッツリ稼ぎたい」も、自分のスタイルで選べるのがタクシーの良いところ。夜日勤は深夜割増が効くので、時間あたりでは稼ぎやすい勤務です。

私は夜日勤で、ツケ待ち中心にのんびり働いています。
どのスタイルを選ぶにしても、まずは会社選びで失敗しないことが大前提です。
タクシーの仕事内容や稼ぎ方は、タクシー転職まとめ記事でテーマ別に整理しています。ぜひあわせて読んでみてください。