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「タクシー運転手に興味はあるけれど、二種免許を持っていない」という方は多いのではないでしょうか?取得費用は20〜30万円かかるといわれ、「先に自費で取らないと応募できないのでは」と不安になりますよね。
実は、東京の未経験者向け求人では、入社後に会社の養成制度で二種免許を取れるケースが多く、応募前に自費で取得する必要は基本的にありません。
この記事では、会社負担で二種免許を取得した現役ドライバーが、費用の相場・2025年9月改正後の教習期間・試験の難易度・早期退職時の返還条件など、入社前に確認すべきポイントまで解説します。

読み終える頃には、二種免許が転職の大きなハードルになりにくい理由が分かるはずです。
二種免許とは|お客さんを乗せて運賃をもらうための免許

正式には「普通第二種運転免許」。お客さんを乗せて運賃をもらう運転をするために必要な免許で、タクシーやハイヤーの乗務に必須です。運転代行では、利用者の車を運転するドライバーに必要になります。
未経験者向けのタクシー求人では、応募前に自費で二種免許を取る必要は基本的にありません。ここを誤解している人が本当に多いんです。
二種免許の取得条件:21歳以上・普通免許3年以上が基本
- 年齢21歳以上+普通免許の経歴3年以上が基本条件
- 特例教習を修了すれば、19歳以上・経歴1年以上でも受験可能
- 視力は両眼0.8以上・片眼それぞれ0.5以上+深視力検査あり
※免許経歴には、免許停止処分を受けていた期間は含まれません(詳しくは記事後半のFAQで)。視力・深視力の基準は警視庁「適性試験の合格基準」、特例教習の詳細は警察庁の案内で確認できます。
応募時点では不要な会社が多い:入社後に取るのが一般的
「持ってないから応募できない」と思っている方が多いんですが、逆です。未経験者向けのタクシー求人では、二種免許を持っていない人を対象に、入社後の養成制度を用意している会社が多くあります。
応募時に求められる条件(普通免許の経歴など)は、求人ごとに確認しましょう。
【2025年9月改正】二種免許の教習は29時限・最短3日に短縮
これから取る人にとって大きいのが、2025年9月1日の制度改正です。普通二種免許の教習は次のように短縮されました。

| 項目 | 改正前 | 改正後(2025年9月1日〜) |
|---|---|---|
| 学科教習 | 19時限 | 17時限 |
| 技能教習 | 21時限 | 12時限 |
| 合計 | 40時限 | 29時限 |
| 制度上の最短教習日数 | 6日 | 3日 |
ただし、「最短3日」は教習所の教習を修了するまでの制度上の最低日数です。3日後に必ず免許証が交付されるという意味ではありません。
実際には、教習所が設定する開始日、卒業検定、運転免許試験場の予約、学科試験の結果などによって取得期間が変わります。東京の教習所には1週間程度のスケジュール例もありますが、入校前に利用する教習所や会社へ確認してください。
※出典:警察庁「普通第二種免許に係る教習カリキュラムの見直しについて」
私が取得した2020年当時は、改正前のカリキュラム(合計40時限)でした。正確な日数は覚えていませんが、入校から免許取得までおそらく1週間ほどだったと思います。

会社経由で教習所に通うならスケジュールは全部会社が組んでくれるので、こっちは言われた日時に教習所へ行くだけです。
二種免許の取得費用|自費なら25〜30万円台、会社負担制度もある

ここが一番気になるところだと思います。結論から言うと、会社の養成制度を利用できれば、二種免許の取得費用を自分で全額用意する必要はないケースが多いです。
自費で取る場合の費用は約25〜30万円
一般に20〜30万円といわれますが、2026年7月時点で確認した都内教習所の規定料金は、約25〜28万円でした。追加技能教習や再検定、キャンセルなどが発生すると、総額が30万円を超える場合もあります。
※料金は2026年7月時点のトヨタドライビングスクール東京、新小岩自動車学校など、都内教習所の公開料金を参考にしています。最新料金は各教習所へ確認してください。
会社の養成制度なら教習費用は会社負担
東京のタクシー会社の未経験者採用では、取得費用を会社が負担する「養成制度」付きの求人が多くあります。
さらに、会社によっては、教習期間中にも日当や研修手当が支給されます。私が入社した会社では、日当1万円と交通費・食費1,000円が支給され、教習中も収入が完全にゼロにはなりませんでした。
転職のブランクが怖い人には、大きな安心材料だと思います。
再受験料など追加でかかる可能性がある費用
注意したいのは、学科試験に落ちた場合の再受験料です。
再受験料を何回まで会社が負担するかは各社で異なります。
二種免許の難易度|教習を受ければ十分対応できる

「二種って難しいんでしょ?」とよく聞かれます。たしかに一種より基準は上がりますが、実際に取った身として言うと、教習にきちんと通えば対応できる範囲です。
学科試験の合格ラインは90点以上、一種より難しめ
教習の中身は学科と技能。学科試験は100点満点中90点以上で合格です。お客さんを乗せる前提の問題が増える分、一種より難しめです。
なんとなく受けて合格できるほど甘くはありませんが、教習と問題演習をこなせば十分対応できます。
技能教習は鋭角コースなど二種特有の課題もある
技能教習で練習するのは、普通免許でも経験した縦列駐車や方向変換だけではありません。加えて、二種特有の鋭角コースや、お客さんを安全に乗り降りさせるための停車方法も学びます。
ただ、会社の養成制度なら、教習所が試験に合わせて指導してくれるのが強みです。授業を休まず、注意された点を直していけば、必要以上に怖がるものではありません。
私自身、運転が特別得意というわけではありませんが、技能検定は一発で合格できました。
深視力検査は「3回の平均誤差2cm以下」が合格基準

二種免許で初めて出てくるのが深視力検査。3本の棒のうち真ん中の1本が前後に動き、手前の2本と並んだ瞬間にボタンを押す、遠近感のテストです。
深視力には「3回の平均誤差が2センチメートル以下」という合格基準があります。
私は最初、棒がそろう位置をつかみにくいタイプでした。それでもすぐに不合格にはならず、一度目を休ませて再検査する時間をもらえました。
検査の運用は会場によって異なる可能性があるので、見え方に不安がある人は、入校前に教習所や眼科で確認しておくと安心です。

深視力の正解は正直よく分かりませんでしたが、受かった男がここにいるのでビビりすぎなくて大丈夫です。
会社負担でも確認すべき費用と契約条件

「会社負担なら安心」で終わらせず、契約条件まで確認するのが失敗しないコツです。私の実例を交えて、確認すべきポイントを解説します。
学科試験の再受験料は何回まで会社負担か
私の会社では、学科試験の受験料は3回目まで会社負担で、4回目以降は自腹という決まりでした。
再受験料を何回まで会社が負担するかは、タクシー会社によって異なります。入社前に、教習費用だけでなく、試験に落ちた場合の再受験料についても確認しておきましょう。
1年以内の退職は「全額返還」と説明された
会社が費用を負担する代わりに、返還契約を設けている会社があります。内容は「一定期間内に自己都合で退職した場合は、免許取得費用の全部または一部を返還する」というものです。
私は入社時に、「1年以内に退職した場合は、会社が負担した二種免許取得費用を全額返還」と説明されました。

周りのドライバーに聞くと、免除まで2年という会社も多い印象です。
一方、研修期間をずっと一緒に過ごした同期は、親の介護を理由に1年以内で退職しています。後から本人に聞いたところ、免許取得費用を請求されたり、最後の給料から天引きされたりはしなかったそうです。
ただし、これはあくまで私が同期から聞いた一例です。親の介護なら必ず免除されるという意味ではありません。会社が個別の事情を考慮した可能性や、契約とは別に請求しない判断をした可能性もあります。
返還条件や契約の有効性は、契約内容や取得経緯によって異なります。面接や入社手続きでは、次の4点を必ず書面で確認してください。
- 何か月在籍すれば返還が免除されるか
- 返還額は一律か、在籍期間に応じて減るか
- 会社都合退職や試用期間中の退職も対象か
- 再試験料や交通費まで返還対象になるか
退職を考える事情が生じた場合は、自己判断で辞める前に会社へ相談しましょう。返還額や給与との精算方法も、書面で確認しておくと安心です。
※返還条件の考え方は、厚生労働省の労働条件サイト「スタートアップ労働条件」のQ&Aでも解説されています。
こういう条件面の確認方法は、会社選びの記事でもまとめています。
入社祝い金30万円は3回に分けて支給
私が入社した会社では、入社祝い金として合計30万円が支給されました。ただし、一括ではなく、次の3回に分けての支給でした。
- 二種免許取得の3日後:10万円
- 初乗務を終えて帰庫した後:10万円
- 初乗務から1年後:10万円
最初の段階で20万円を受け取れましたが、残りの10万円は1年間乗務を続けなければ受け取れませんでした。
会社からは、1年以内に辞めた場合は二種免許取得費用を全額返還すると説明されていました。だからこそ私は、「少なくとも残りの祝い金を受け取れる1年までは絶対に続けよう」と考えていたわけです。
求人広告に「祝い金30万円」と書かれていても、入社直後に全額もらえるとは限りません。

支給時期、在籍条件、欠勤や事故による不支給条件、退職時の返還条件まで確認することが大切です。
私が会社の養成制度で二種免許を取得した実体験

ここからは、私が実際に会社負担で二種免許を取ったときの記録を解説します。
2020年11月に取得し、2020年12月から乗務開始
私が普通二種免許を取得したのは2020年11月です。正確な通学日数までは覚えていませんが、平日の朝から夕方まで、学科と技能の教習がぎっちり組まれていました。
当時は現在より教習時限が多く、学科19時限・技能21時限の合計40時限でした。技能教習は1日最大3時限だったため、教習だけでも少なくとも7日程度は必要だった計算です。
私は試験場の学科試験に2回落ち、3回目で合格しました。卒業検定や再受験の日程まで含めると、入校から免許取得までは、おそらく1週間ほどだったと思います。
その後も東京タクシーセンターの講習や社内研修を受け、すべて終了して2020年12月から乗務を始めました。
教習中は日当1万円と交通費・食費1,000円
私が入社した会社では、二種免許の教習期間中も1日1万円の日当が支給されました。日当はその場でもらうのではなく、教習へ通った日数分が給料日にまとめて振り込まれる仕組みでした。
さらに、日当とは別に交通費・食費として1日1,000円が支給されました。仮に教習へ8日通った場合なら、日当8万円に加えて、交通費・食費として8,000円が支給される計算。
会社の養成制度を利用したため、教習費用を自分で用意する必要はありませんでした。加えて、教習中の収入が完全にゼロになることもなかったわけです。
ただし、これは2020年当時に私が入社した会社の例です。現在も同じ金額とは限らず、日当が出ない会社や、研修期間中は通常より低い給与になる会社もあります。求人票や面接で必ず確認してください。

絶対に会社には言えませんが、仕事をせずに勉強してお金がもらえる期間。長引いてむしろ得した気分でした。
技能は一発合格、学科は3回目で合格
技能検定は一発で合格できましたが、運転免許試験場で受ける学科試験には2回落ちました。合格したのは3回目。
私の会社では、学科試験の受験料は3回目まで会社負担で、4回目以降は自腹という決まりでした。3回目で合格できたときは、うれしいというより「ギリギリ自腹を回避できた」という安心感のほうが大きかったです。
特別な教材は使わず、教習所の授業と過去問だけで受験
学科試験のために、特別な教材を買ったり、独自の勉強法を試したりはしていません。
もともと勉強が嫌いだったこともあり、教習所で受ける学科の授業と、教習所のパソコンで解ける過去問題に取り組んだだけです。家に帰ってから問題集を開いたり、試験前に集中して復習したりすることもありませんでした。
その結果、学科試験には2回落ち、3回目でようやく合格しました。今振り返ると、教習所の授業だけで終わらせず、家でも過去問題を繰り返していれば、もっと早く合格できた可能性はあると思います。

勉強が得意ではなく、自宅学習をほとんどしなかった私でも、最終的には合格できました。
ただし、私の会社では学科試験の受験料が会社負担になるのは3回目まででした。何度も落ちると、自腹になる会社もあります。できるだけ一発で合格したい人は、授業だけでなく、自宅でも過去問題を繰り返しておくことをおすすめします。
高校中退で勉強が苦手な私でも取得できた
私は高校を中退しているため、最終学歴は中卒です。もともと座学や試験が得意だったわけでもなく、実際に二種免許の学科試験には2回落ちました。
それでも3回目には合格し、2020年11月に普通二種免許を取得できました。その後、社内研修まで終えて、2020年12月から東京でタクシー運転手として乗務しています。
二種免許の受験資格に学歴の条件はありません。

学歴に自信がない人や、長く勉強から離れている人でも、最初から「自分には無理」とあきらめる必要はないと思います。
ただし、学科試験はなんとなく受けて合格できるほど簡単ではありません。私のように複数回受ける可能性も考えて、会社が再受験料を何回まで負担してくれるのか確認しておくと安心です。
縦列駐車は苦戦したが、繰り返し練習できた
技能教習で私が一番難しいと感じたのは、縦列駐車でした。最初からうまくできたわけではありません。車を動かすタイミングやハンドルを切る位置がわからず、何度もやり直しました。
ただ、教官が目印やハンドル操作のコツを教えてくれますし、できるまで繰り返し練習させてもらえました。最初に失敗したからといって、そのままできないわけではありません。

教えられた手順を一つずつ覚えて繰り返せば、徐々に車を入れられるようになります。
運転に強い自信がない人でも、教習中に注意された部分を直しながら練習すれば、必要以上に怖がらなくて大丈夫だと思います。
道路や地名を暗記する「地理試験」は2024年2月29日に廃止

以前、東京でタクシードライバーになるには、二種免許とは別に「地理試験」という関門がありました。都内の地名や道路を暗記する試験で、これがなかなかの難物。

何を隠そう私は、地理試験に7回落ちて8回目で合格した人間。今から入る人が心底うらやましいです。
東京タクシーセンターの「法令・安全・接遇」の試験は残っている
ただし、東京23区・武蔵野市・三鷹市で乗務する場合、試験そのものがすべてなくなったわけではありません。
現在も東京タクシーセンターの新規講習(3日間)を受ける必要があります。そのうえで、法令・安全・接遇についての試験(45問中36問以上の正解で合格)にも合格しなければなりません。
地理についても講習内で効果測定が行われますが、以前の地理試験のような独立した合否試験ではありません。暗記の負担は、昔と比べて確実に軽くなっています。
なお、地理試験の廃止後は、地理知識の低下が懸念されていました。その対応として、東京タクシーセンターでは2026年6月から「新人地理基礎研修」も始まっています。
対象は、地理に不安がある新人ドライバーや乗務予定者で、月1回・1日開催となっています。幹線道路や主要交差点、主要ターミナル駅周辺、首都高速のルートなどを、動画で学べる内容です。申し込みは会社経由のため、気になる人は入社する会社が利用できるか確認してみるとよいでしょう。
タクシー二種免許のよくある質問

Q. AT限定免許でも二種免許は取れる?
取れます。現在は普通二種のAT限定を扱う教習所があり、東京の教習所でも案内されています。会社の養成制度で入校する場合は、どの区分で取得するのか事前に確認しておきましょう。
Q. 19歳でも二種免許を取れる?
原則は21歳以上・免許経歴3年以上ですが、特例教習を修了すれば、19歳以上・経歴1年以上から受験できます。若手を積極採用している会社なら、特例教習に対応しているか確認してみてください。
Q. 学科試験に落ちた場合、再受験料は会社負担?
会社によります。再試験では、その都度受験料が発生します。
何回まで会社負担かは各社の制度次第で、私の会社は3回目まで会社負担、4回目以降は自腹でした。入社前に必ず確認しましょう。
Q. 深視力検査に落ちたら入社できない?
すぐにあきらめる必要はありません。私の場合は、目を休ませてから再検査させてもらえました。
ただ、運用は会場によって異なる可能性があります。見え方に不安がある人は、入校前に教習所へ相談したり、眼科で深視力を測ってもらったりしておくと安心です。
Q. 二種免許を自分で取ってから応募したほうが有利?
一概には言えません。自費なら25〜30万円台かかる一方、返還条件に縛られない自由さがあります。会社負担なら教習費用の自己負担を抑えられ、日当が出る場合もあるのが魅力です。
ただし、一定期間内に退職した場合の返還条件を設けている会社もあります。契約書で免除までの期間と返還額を確認したうえで判断しましょう。
Q. 違反歴や免許停止歴があっても取得できる?
受験資格の「免許経歴3年以上」は、免許停止処分を受けていた期間を除いて計算されます。停止歴があっても、通算の経歴が条件を満たせば受験は可能です。心配な場合は、教習所や運転免許試験場に確認してください。
まとめ|二種免許はタクシー転職の大きなハードルになりにくい

・応募時点で二種免許は不要な会社が多い。入社後に会社の養成制度で取るのが一般的
・自費なら25〜30万円台だが、東京の未経験採用は会社負担の求人が多い
・2025年9月から教習は合計29時限に短縮。取得期間は教習所のスケジュールや試験日程で変わる
・養成期間中に日当などが出る会社もある(私は日当1万円+交通費・食費1,000円)
・技能には鋭角コースなど二種特有の課題もあるが、教習を受ければ対応できる
・深視力は「3回の平均誤差2cm以下」が基準。不安なら入校前に相談を
・早期退職時は費用返還を求められる場合がある。免除条件は書面で確認
・地理試験は2024年2月29日で廃止。ただし法令・安全・接遇の試験は残っている
未経験者向けの求人を選べば、二種免許を持っていないこと自体は、大きなハードルになりません。教習費用や研修中の収入を会社が支援してくれる場合があるからです。
あとは、その制度の条件が良い会社を選ぶだけです。

免許より大事なのは会社選び。取り方より選び方で差がつきます。
タクシーの仕事内容や稼ぎ方は、タクシー転職まとめ記事でテーマ別に整理しています。ぜひあわせて読んでみてください。